人工甘味料

人工甘味料は低カロリーであるため糖尿病や肥満の患者さんに適していると考えられてきました。しかし、最近Natureという科学雑誌に発表された論文では人工甘味料が腸に住んでいる細菌の性質を変えてしまい、血糖値を上昇させることが報告されています。昔から人工甘味料は血糖値を上昇させないという意見がある一方で、逆に体重を増加させ糖尿病を悪化させるという相反する結果が報告されてきました。

この論文では人工甘味料とくにサッカリンを動物に投与すると腸内細菌が変化し、ある種の脂肪酸も増加する、そのために体重が増加しやすくなり、血糖値が上昇することが報告されています。同様の現象が健常人に人工甘味料を投与したときにも起こることが示されましたが、全員に同じ現象がおこったわけではありません。

人工甘味料をたくさん摂取すると甘いものへの執着が取れないので、ダイエットがうまくいかない場合もありますが、カロリーの少ない人工甘味料には利点もあります。人工甘味料に頼り過ぎない食生活が望まれます。

Nature514:181-186、2014より引用