SGLT2阻害薬 その1
米国では、新規の糖尿病治療薬は市販前に心血管イベントへの影響が既存の糖尿病治療に対して劣っていないことを証明しなければならない、という制度があります。そのため、7,000名の2型糖尿病患者にエンパグリフロジンというSGLT2阻害薬を投与した試験結果が2015年に発表されています(EMPA-REG OUTCOME試験)。
この試験では心血管の病気による死亡,心筋梗塞,脳卒中を合わせたイベントが明らかに減少しました。驚くべきことに心血管の病気による死亡者が、エンパグリフロジン内服開始から、わずか数ヶ月で明らかに減少していることです。いままで行われた血糖降下薬の試験でこれほど目覚ましい効果を表したものはありません。
なぜこのような効果が早期に現れたのかは、まだわかってはいません。現在も同様の薬剤を用いた試験が進行中ですので、結果が判明次第、お知らせする予定です。