今年の夏も暑さに注意!

糖尿病の治療において患者さんと医療スタッフ(医師、看護師、管理栄養士、薬剤師など)がいちばん気にする数値は何と言ってもHbA1cだと思います。HbA1cを(年齢や治療法でも違ってきますが)7.0%未満にしたいとあれこれ工夫されているかと思います。
HbA1cの値は季節により変動があることが知られています。大まかには冬場は高く、夏は低くなります。日本では冬の時期は寒いために屋内に引き籠りがちになり運動しなくなり、かつ年末年始でご馳走をたくさん食べたりすることでHbA1c値は上昇すると言われています。夏は高温のため代謝が盛んになり血糖値は下がると考えられています。
しかしながら昨年の夏はかなりの猛暑でしたが患者さんたちのHbA1c値は上昇傾向を示しました。

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図は当院に毎月通院されている患者さんのうち糖尿病の治療薬を大きく変更しなかった方たち119名のHbA1c値の変動をグラフ化したものです。2022年のものも合わせて示しましたので2022年1月~2023年12月までの毎月のデータのグラフです。ここからわかるのはHbA1c値は2023年の夏は2022年の夏に比べて+0.23%高かったということです。同じ時期の気温もグラフにしていますが2023年の夏は最高気温の平均は34.7℃と前年に比べて+1.7度も上昇していたことです。体重についてはほとんど変化はありませんでした(逆に言うと夏やせはしてなかったのです)。
このあとは単なる憶測ですが2023年の夏は異常高温のため屋外で運動しないように呼びかけられていたこともあって運動不足となりHbA1c値が上昇してしまったのではないか?ということです。もし今年(2024年)も猛暑になれば、何とか室内で体を動かしていただくほうが良さそうです。