糖尿病といっても色々な型があるらしい
糖尿病と診断されると将来合併症が起こるかもしれないから、合併症発病の予防のために治療しましょうと昔から説明されてきました。
ただ、あまり大声では言えないのですが、結構適当に治療していて高血糖も続いているのに何年経ってもほとんど合併症が起こらない患者さんはいます。合併症が起きない理由はたぶん血管が高血糖に強いとか、生まれつき体質が違うのだろう、糖尿病にもいろいろあるのだろうと言われてきました。
ここ数年、そのような現象について説明ができそうな説が唱えられ始めています。それが糖尿病のサブタイプ分類です。サブタイプというのは「糖尿病」という診断名は同じですが、将来の治療方法や合併症の起こり易さが異なる集団のことです。1万人以上の糖尿病をもつ日本人集団について「クラスター分類」という統計手法を使って、「糖尿病」は5つのサブタイプに分類できることがわかりました。若い年齢で発症し自己免疫が関わるサブタイプ(重症自己免疫性糖尿病)、インスリン分泌能力が著しく低下したタイプ(重症インスリン不足糖尿病)、肥満がありインスリンの効果が良くないタイプ(重症インスリン抵抗性糖尿病)、肥満だけど合併症が起こりにくいタイプ(軽症肥満関連糖尿病)、高齢で発症するタイプ(軽症加齢関連糖尿病)の5つです。英文ですがここ(https://doi.org/10.1007/s00125-025-06594-1)に研究結果は掲載されています。
このうち「重症インスリン抵抗性糖尿病」サブタイプでは腎臓病の発症が多く、腎臓病が悪化する可能性が高いことがわかりました。現時点では未だできないことですが、近い将来「糖尿病」と診断された時点でどのサブタイプに属するかが判定できるようになるでしょう。そうなればかなり頑張って治療しなければならない糖尿病患者さんと、ある程度適当でも良い患者さんとに区別できるようになるはずで、患者さんの負担も軽くなることが期待されます。ただし。将来腎臓病になりにくいと言われたからといって、飽食、運動不足を続ければ肥満による様々な余病、筋力の低下による怪我などが起こりやすくなりますので、何もかも手を抜くということはお勧めできません。バランスの取れた食事と有酸素運動は心がけてください。
