タバコと糖尿病
糖尿病でいつも話題になるのは「アルコール」ですし、飲み過ぎてはいけないということはご存知のことと思います。でも、今月の話題はタバコ(喫煙)と糖尿病です。喫煙と糖尿病と関係があるの?と思われる方も多いと思いますが、両者には密接な関係があります。日本人男性を長期間観察したデータによると、1日20本までの喫煙者は喫煙しない人に比べて糖尿病を発症する危険性は1.22倍、1日30本まででは1.57倍、40本までで1.55倍、そして1日40本以上吸う人は1.73倍の危険があると報告されています(Diabet Med 16:951, 1999)。さらに、自分は喫煙しないけど職場などで受動喫煙にさらされる人の糖尿病発症危険度は1.81倍とされています(Diabetes Care31:732, 2008)。肺がんだけでなく糖尿病にもタバコが悪さをしていることは明らかです。
最近、「三次喫煙」という概念が提唱されています。これは受動喫煙が終わったあと、衣類や毛髪に付着した有害物質を吸入してしまうことを言います。タバコの有害物質は室内や自動車内などあちこちに長くとどまり、新たな発がん物質を作り続け乳幼児などがそれらを摂取してしまう可能性が指摘されています。
寒さも少しずつ弱まってきたので、外できれいな空気を吸って、糖尿病や癌に打ち勝てるような暮らしを心がけてはいかがでしょう。