糖尿病学会に参加して

先週はお休みをいただき宮城県仙台市で開催された第62回日本糖尿病学会年次学術集会に参加してきました。年1回の糖尿病診療の専門家の集まりで様々な発表が行われましたが、ここでは糖尿病の新規治療薬について学んだことをお話します。

現在、糖尿病の治療に使用できる薬物は大まかには2種類の注射薬と7 種類の
経口薬がありますが、今後期待されるお薬について紹介します(実際に販売され医師から処方してもらえるようになるかはまだわかりませんので、その点はご承諾ください)。1)一般名イメグリミンは、細胞内ミトコンドリアの機能を活発にすることで、血糖依存性インスリン分泌を増加させ、さらに肝臓や筋肉でのインスリン効果を高めることが証明されています。また血管内皮機能の改善により糖尿病の合併症も予防してくれる可能性もあります。2)一般名セマグルチドは、もともとは注射薬で、インスリン効果を高める作用がありますが、これを飲み薬にする方法が開発されており、食事にあわせて服用することで血糖値の上昇を抑制し、さらに体重も減らすことが分かっています。

以上のようなお薬が、数年以内に発売される可能性があり、糖尿病の治療がより容易になることが期待されます。もちろん、食事療法と運動療法が基本であることは変わりませんので、日々、少しずつ取り組んでいただければと思います。