週1回注射のインスリン

昨年、週1回投与で済む新しいインスリン製剤が市販される目処がついたとのニュースがありました。インスリン療法の基本となる基礎インスリン（Basalインスリンと言います）は現在のところ、1日に1ないし2回の皮下注射が必要です。患者さんの中には今日は決められた量のインスリンを打ったかどうか忘れてしまう等、毎日のことなので逆に不安になったり、中には本当に忘れてしまう患者さんもいらっしゃいます。基礎インスリン注射が週1回で済めば、たとえば基礎インスリンは日曜日に打つとか決めておけるので、そういった不安も減らせるでしょうし、少しではありますが注射の痛みも週1回で済むならば、とても幸せになれそうです。

今のところ週1回のインスリン製剤は治験段階では大きな問題は報告されていません。自分で注射できない高齢の患者さんも週1回で良いのなら、ご家族や往診の医療スタッフによるサポートも今までより受けやすくなると考えられます。実際に販売されるまではもう少し時間がかかりますが、期待できるお薬だと思います。この製剤が発売されるまでは、もう少し我慢が必要かと思います。