肥満を手術する??

先週12月5日の金曜日に「糖尿病と肥満治療を考える会」が福岡市で開催され座長を依頼されていたので参加してまいりました。肥満外科の第一人者である大分大学医学部消化器小児外科学講座准教授の太田正之先生に「肥満外科手術の現状と展望」という題でご講演をいただきました。講演内容は新鮮で盛り沢山でした。講演後には肥満の手術という新しい話題におおいに興味を持った参加者達による討論も熱心に行なわれました。

肥満の手術は肥満が様々な病気の原因になっていることをふまえ、腹腔鏡を用いて胃腸に手術をおこない、過剰な栄養摂取をおさえて体重の減量をはかるものです。現時点ではお薬や食事療法を6ヶ月以上おこなってもBMI35以上の人が適応です。BMI35とは例えば身長170cmで体重101kg超えの状態ですので、かなり高度の肥満の方が対象と言えるでしょう。手術することで高血圧や糖尿病がほぼ治った状態(寛解)になる方もおられます。でも、残念なことに手術後に体重が元に戻ってしまう患者さんもおられます。

手術で肥満が完治する訳ではなく、手術の前から、そして手術後も食事や運動に十分気をつけないといけません。日々の生活がいかに大事かを思い起こした次第です。                     (文責:渡辺淳)