胃腸内科:診断と治療
胃腸内科・消化器内科では消化器検査・診断および治療をおこないます。
消化器関係の病気では最近は「逆流性食道炎」と「血便(下血)」が増えています。この2つの病気について少し詳しく解説します。
1)逆流性食道炎
胃と食道の接合部には括約筋という組織があり、胃酸が食道に簡単には逆流しないようになっています。しかし、胃酸が多すぎる、或いは肥満などで腹圧が上昇すると、胃から酸が逆流し易くなると考えられています。胃十二指腸潰瘍の治療でヘリコバクターピロリ菌感染が治療されると胃酸過多になりがちですし、暴飲暴食、脂肪分の多い食事、肥満なども胃酸の逆流を招くと考えられています。逆流性食道炎は外来で治療できる病気ですが、診断のためにはやはり胃の内視鏡検査(胃カメラ)が必要です。当院では苦しくない胃カメラ検査をおこなっていますので、ご相談ください。
2)血便(下血)
便に血が混じるとビックリしますが、一番多い原因は痔(じ)からの出血です。でも痔を持っているからと放置はしないでください。同時に大腸がんやポリープがあるかもしれません。
比較的、ご高齢で便秘がちの方に多いのは「虚血性大腸炎」で大腸の血行不良のためにおこりますが、大腸がんやポリープを合併することもあります。その他に上部消化管からの出血や潰瘍性大腸炎など、血便の原因は様々ですから、大腸の内視鏡検査(大腸カメラ)は必要です。大腸カメラ検査も麻酔下におこないますので、ご相談ください。
消化器検査
1)上部内視鏡検査(胃カメラ)
2)下部内視鏡検査(大腸カメラ)
3)腹部超音波検査(肝臓、胆のう、すい臓など)
がんのリスク検査(AICS)
1回の採血で複数のがんのリスク(可能性)を評価します。がん患者さんでは、血液中のアミノ酸濃度のバランスが変化していると言われています。AICS(アミノインデックス)はこのバランスを統計解析することにより、現在、がんにかかっている可能性を知る検査です。解析対象となるがん腫は以下のとおりです。
男性AICS(5種):胃がん、肺がん、大腸がん、すい臓がん、前立腺がん。
女性AICS(6種):胃がん、肺がん、大腸がん、すい臓がん、乳がん、子宮がん・卵巣がん
注意事項)
1)特殊な採血のため、事前に当院受付窓口に直接あるいはお電話でご予約をお願いいたします。なお採血可能日は月~金曜日です(土日祝は検査センターの都合で不可です)。
2)検査の8時間前からは水分以外は摂らずに、午前中に採血します。検査前日の夕食は肉、魚などの高タンパク質のものは控えてください。また、検査直前の運動はお控えください。
3)現在妊娠中の方、授乳中の方、(治療中を含む)がん患者の方、先天性代謝異常と診断されている方、透析患者の方は、検査結果への影響が大きいため、AICS検査を受けることはできません。
4)健康保険は適応されず、自費診療となります。